SiCツールは 当社が独自の方法で開発した「工具に必要な粘りを持つ」SiC単結晶を用いた切削工具です。SiCツールは被削材の特性を極限まで引き出します。
その特長と強みは・・・
・刃先丸み20nm以下を実現
・単結晶に由来する原子レベルの平坦化を実現
・金属との化学反応性が低い
・被削材表面の加工歪が極限まで減らせる
・ダイヤモンドの次に硬度が高い
・熱伝導性が高く、加工時の冷却システムの簡略化が可能
ドーピングと3次元CMP(化学研磨技術)で切れ刃の鋭利化を実現
現在半導体に使用されているSiC単結晶はHV硬度2,500~3,000とダイヤモンドに次ぐ硬度を持っており、化学的にも安定で金属との化学反応性が低く、通常の酸やアルカリにも冒されないという特長があります。また熱伝導性が高く耐熱性にも優れています。
しかし、硬さゆえに非常に脆いという一面を持っています。そのため切削工具材料には適さないと考えられてきました。私どもSiCツールズは、SiC単結晶工具(SiCツール)専用の単結晶成長装置を用いて結晶を成長させる際に、他の元素を添加するという方法(ドーピング)で、この硬くて脆いというSiC単結晶の欠点を克服し、工具に必要な粘りをもった(高靱性)SiC単結晶を成長させることに成功しました。
SiC単結晶工具(SiCツール)は刃先丸み20nm(ナノメートル)を実現しています。これは従来のダイヤモンド単結晶工具の半分以下の数値です。このように刃先を鋭利化できた背景には、なんといってもSiCの工具材料としてのすばらしさがありますが、もうひとつ忘れてならないものに当社が独自で開発した画期的な3次元CMP(化学機械研磨)技術があります。
図① 気相成長法による高濃度ドーピングSiC単結晶の製造過程の模式図
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